幼稚園から大学卒業までの公立・私立別教育費一覧
文部科学省によると、全国の令和5年度の保育園から大学卒業までの教育費は、全て公立の場合、約786万円・全て私立の場合、約2295万円とのことでした。

上記数値は「地域差」や「世帯年収」を考慮していない平均金額であることに留意する必要があります。
世帯により教育活動に費やせる金額は異なるため、参考数値として検討することが望ましいでしょう。
保育園・幼稚園の教育費
保育園(0歳生後57日~5歳まで)厚生労働省管轄・児童福祉施設の位置づけになります。
幼稚園(満3歳~5歳まで) 文部科学省管轄・学校の位置づけになります。
認可保育園とは
国の基準を満たして自治体が正式に認めた保育園、保育料は自治体が決めます。
認可外保育園でも自治体に届出は出しており、全保育所に対する割合は約25%と言われています。
幼児教育・保育の無償化により、これまで私立幼稚園において年間約35万円かかっていた費用が、国・自治体の負担で授業料・保育料に相当する部分(月額上限25,700円(年約30.8万円)まで)が補助されることになりました。
その結果大半の金額がカバーされることになり、私立幼稚園の場合3年間で約15万円程度の費用に収まる結果となります。ただし差額部分の、給食・バス送迎・制服代・行事ごとなどにかかる費用は、引き続き自己負担となります。
なお、0歳~2歳までの保育園の費用は、住民税非課税世帯などの所得要件により無償化が適用されます。
小学校・中学校・高校の教育費
小学校入学から高校卒業までの12年間全て公立の場合約544万円、全て私立の場合約1872万円の費用がかかります。
総じて小・中・高校とも私立学校の方が高額になります。
学費は学校教育費・学校給食費・学校外活動費の3つに分けられます。
学校教育費 (授業料・入学金・教科書代・制服代・修学旅行代・PTA会費・通学にかかる費用楽器体操着等の文房具費等)
学校外活動費(家庭内の学習机・参考書等の費用、塾代・サッカー教室・留学費用・体験活動にかかる費用等)
小学校の教育費 令和5年度
公立は学校教育費の割合が24.4%・学校外活動費の割合が64.2%と学校外活動費が大きな割合を占めています。
一方私立は学校教育費の割合が57.7%・学校外活動費の割合が39.4%であり、学校教育費の割合が大きくなっています。
学校外活動費の内訳を見ると、私立学校の家庭が公立学校の家庭より補助学習費(学習塾や家庭教師・留学代など)に大きな金額をかけていることが伺えます。



中学校の教育費 令和5年度
公立は学校教育費の割合が27.6%、学校外活動費の割合が65.7%と学校外活動費の割合が大きくなっています。
一方私立は学校教育費の割合が72.3%・学校外活動費の割合が27.1%であり、学校教育費の割合が大きくなっています。
学校外活動費の内訳を見ると、公立学校の家庭が私立学校の家庭より補助学習費(学習塾や家庭教師・留学代など)に掛ける割合が大きくなり、金額も上回ったことが伺えます。



高校の教育費 令和5年度
公立は学校教育費の割合が58.7%、学校外活動費の割合が41.1%と学校教育費の割合が大きくなっています。
一方私立は学校教育費の割合が74.4%・学校外活動費の割合が25.6%であり、学校教育費の割合が大きくなっています。
学校外活動費の内訳を見ると、中学と同様公立学校の家庭が私立学校の家庭より補助学習費(学習塾や家庭教師・留学代など)に掛ける割合が大きいことが伺えます。



学校外活動費の内訳
公立・私立とも小・中・高校の学校外活動費では、補助学習費の割合が高くなっています。
住んでいる地域・世帯年収の観点から分析すると、下図のような結果になります。
端的に言うと、地方より都市部の方が塾や家庭教師・留学にお金をかける、年収が高い世帯の方が塾や家庭教師・留学にお金をかける、ということが伺えます。
各家庭によって補助学習費に費やす金額に幅があることがわかり、この金額の多寡によって学校外活動費は大きく変動することがわかります。


大学・学部別の費用
大学4年間の学部別費用をまとめました。国公立大学の文系と理系の差額はありません。

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私立大学理系は私立大学文系に比べ約150万円程高くなっています。私立医科系は大学により大きな差異があり、2026年度では国際医療福祉大学の1850万円が一番低く、川崎医科大学の4550万円が最高額でした。
その他、通学費・教科書代・仕送り費用などが発生いたします。
仕送り費用
全国大学生活協同組合連合会によると、2024年度の仕送り費用の平均は72,350円とのことでした。
奨学金利用の有無により仕送り額が異なり、奨学金ありの場合40,920円、奨学金なしの場合86,500円との結果でした。

出典:全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 概要報告|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)
大学生の奨学金(日本学生支援機構)利用割合
令和5年度、大学全学生数274万人のうち87万人の学生が給付または貸与として日本学生支援機構を利用しており、その割合は約32%となります。

上記数値には、大学独自の奨学金などその他の奨学金利用が考慮されておりませんので、実質的な奨学金利用の大学生の割合は約32%から少し高まることになるでしょう。
専門学校にかかる費用
専門学校には多様な種類の学習形態が存在し、1年制から4年制までの教育課程に分かれているなど学校によりカリキュラムが様々で、一様に費用を表すことが難しくなっています。
東京都専修学校各種学校協会によると、令和6年度の初年度の費用は平均130万円とのことでした。
2年目以降の学費の算出は上述の理由により難しいですが、おおまかな金額把握は下記式として計算すると近似値が求められるようです。
(初年度納付金 − 入学金)または(初年度納付金 × 約 80〜90%)

出典:専門学校の学費はいくら?入学金・受験料・生活費…進学費用を徹底解析! | コレ進レポート – コレカラ進路.JP
まとめ
子どもの教育費は、想像以上に長期かつ大きな金額となり、子どもの将来を思うほど教育費の大きさに不安を感じることもあるかもしれません。
しかし、早い段階から全体像を把握し、無理のないペースで準備を始めれば焦る必要はありません。
毎月少しずつの積立でも、長い時間があなたの味方になります。
将来に向けて安心して教育資金を積み立てるためには、「いつ・どのくらい必要か」を明確にし、家計全体のバランスの中で計画的に積み立てていくことが大切です。
